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最近の著作から 2004年度

文学部広報誌『文学部だより』の「最近の著作から」欄から文学部教員の著作を紹介します。

これまでの著作紹介

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2004年

『ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 陶淵明』 釜谷 武志(単著)

『ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 陶淵明』 釜谷 武志(単著)

六朝期の詩人、陶淵明の作品から40篇を選び、平易な訳と解釈をほどこしたものです。俗世間から離れ、隠遁生活を送る陶淵明は、田園での生活体験を通してさまざまな感慨を詠みました。その親しみやすい詩文は、人々の共感をよぶとともに、日本人の生き方にも大きな影響を与えてきました。「帰去来辞」「桃花源記」をわたしがどう読んだが、本書を手にとってご覧ください。

2004年12月 角川書店 660円(税別)

『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』 宮下 規久朗(単著)

『カラヴァッジョ 聖性とヴィジョン』 宮下 規久朗(単著)

イタリアの画家カラヴァッジョについてのわが国初の研究書。イタリア美術最大の巨匠といわれるこの画家は、バロック美術および近代的写実主義の先駆者であり、殺人を犯して逃亡しながら鬼気迫る宗教画を残したことで知られています。本書は、「聖性とヴィジョン」という概念によってその芸術の本質を解き明かそうとしたものです。私は長年この画家を研究してきましたが、いまだ不十分ながら自分の研究に一区切りをつけるために、本書をまとめて上梓しました。幸い各新聞の書評欄で好意的にとりあげられ、専門書にしては売れ行きも好調、「地中海学会ヘレンド賞」という賞もいただくことができました。本誌前号に前著『バロック美術の成立』(山川出版社)が「宮下規久朗への最良の入門書」といわれていると述べましたが、本書は私の集大成となりました。

2004年11月 名古屋大学出版会 5040円

『美学とジェンダー―女性の旅行記と美の言説』 長野 順子訳

『美学とジェンダー―女性の旅行記と美の言説』 長野 順子訳

18世紀、大英帝国の揺藍期にトルコ、西インド諸島、革命期のフランス、北欧などを旅した女性たち。本書は、彼女らの旅行記におけるオリエンタリズム、崇高、ピクチャレスク、ゴシック趣味などの美的言説に焦点を当てて、それらに共通する一種逸脱した風景描写から逆に、「近代美学」の政治的・社会的論理をジェンダー的観点から抉り出した批判的考察である。著者はオレゴン州立大学のエリザベス・ボールズ(英文学・女性学)。

2004年7月 ありな書房 5040円

『痕跡の光学―ヴァルター・ベンヤミンの「視覚的無意識」について』 前川 修

『痕跡の光学―ヴァルター・ベンヤミンの「視覚的無意識」について』 前川 修

本書は、1930年代のドイツの批評家ヴァルター・ベンヤミンの思考を貫いていた「痕跡」の論理を探索し、その迷宮的な軌道をつなぎ合わせていた「装置的」力学を、19世紀以降の視覚装置(パノラマ、ステレオ、写真)などを手がかりに照らし出す非‐光学的な「光学」の試みである。

2004年2月 晃洋書房 6300円

『小野市史 第三巻 本編Ⅲ』別冊
『AONOGAHARA捕虜兵の世界 Kriegsgefangenen-lager Aonogahara』 大津留厚編・監訳、福島幸宏編

兵庫県の小野市と加西市の境界に位置する青野ヶ原には第一次世界大戦時、捕虜収容所が設置され、中国におけるドイツの租借地だった青島で捕虜になったドイツ兵、オーストリア=ハンガリー兵が収容されていました。『AONOGAHARA捕虜兵の世界』は青野ヶ原に収容されていた捕虜兵に関するドイツ語資料を邦訳し、それに解説と日本側の関連資料を付したものです。青野ヶ原の収容所は日本の捕虜収容所体系の中ではオーストリア=ハンガリー兵の比率が高いという特徴がありましたが、同時に日本の捕虜収容所自体ユーラシアに点在する協商側捕虜収容所体系の東端を形成するものでありました。本書は青野ヶ原の捕虜兵たちの豊かな生活が世界史の中で展開されていることを如実に伝えています。ご一読下さい。(大津留厚)

2004年2月 兵庫県小野市 7000円

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