教員紹介
教授 増本浩子 MASUMOTO Hiroko [KUID]
履歴
1960年生。1987年広島大学大学院文学研究科博士課程後期中途退学。1997年博士(文学)(広島大学)。姫路獨協大学外国語学部助手、講師、助教授、教授をへて2007年10月より神戸大学人文学研究科准教授、2010年4月より同教授。
専門分野
現代ドイツ文学・スイス文化論
これまでフリードリヒ・デュレンマットの演劇論と戯曲を中心に、現代スイスのドイツ語文学を研究対象としてきた。現在はスイス人作家によるスイス批評に関心がある。スイスは1291年の建国以来、多民族が共存する多言語・多文化の国であり続け、現在のように世界中で多文化主義が声高に語られるずっと以前からポスト国民国家の理想的な形態を実現してきた。が、その一方で、解体することなくひとつの国としてのまとまりを保持するために特殊なナショナル・アイデンティティーを必要とし、その偏狭さを多くの現代作家たちが批判しているのである。当面の研究課題は、スイスのナショナル・アイデンティティーをめぐる政治的言説と文学との関連を探ることである。
主な著書・論文
- 『フリードリヒ・デュレンマットの喜劇』(三修社、2003年)
- 「スイスにおける他言語・多文化主義」神戸大学文学部紀要37号(2010)17-33頁
- Er kenntni s theoret i s che Über legungen im Spätwerk Dürrenmatts. In: Dieter Trauden u.a.(Hg.): Wie alles sich Ganzen webt. Tübingen 2010,S.89-102