教員紹介
助教 岡野翔太 OKANO Shota [KUID]
履歴
1990年生まれ。台湾名は葉翔太。2013年、関西学院大学文学部文化歴史学科アジア史学専修卒業。2015年、大阪大学大学院文学研究科博士前期課程東洋史学専門分野修了。2021年、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程人間科学専攻単位取得満期退学。2022年、博士(人間科学)(大阪大学)。大阪大学大学院言語文化研究科特任研究員、大阪大学レーザー科学研究所特任研究員を経て、2024年より現職。
専門分野
華僑華人研究、現代台湾地域研究、中国近現代史、歴史人類学
私は台湾出身の親を持つニューカマーの二世で、大学院進学後、主に在日台湾人をはじめとする、日本帝国崩壊後の「台湾系華僑」と呼ばれ得る人びとを研究の対象としてきました。「台湾」ならび台湾を統治する「中華民国」という政府の存在は、日本の外交関係や台湾を取り巻く政治環境の影響から、この日本においてもそれがあるのかないのか、人びとの論争の種となってきました。私自身も外のまなざしによって自らのアイデンティティが揺るがされるような経験をしました。こうしたことから、研究者やマスメディアのまなざしの外に見逃されてた「台湾系華僑」と呼ばれ得る人びとに関心を持ち、横浜中華街でのフィールワーク調査や台湾での資料収集を行ってきました。今後も、「国」や「国境」、地域秩序の変化によって不可視化された人びとについて考えていきたいと思っています。
主な著書・論文
- 『二重読みされる中華民国ーー戦後日本を生きる華僑・台僑たちの「故郷」』(大阪大学出版会、2023年12月)
- 「「存在しない国」と日本のはざまを生きるーー台湾出身ニューカマー第二世代の事例から」(蘭信三ほか編『帝国のはざまを生きる』みずき書林、2022年)
- 「華僑から『台湾人へ』ーー1960-70年代在日台湾人の歴史的自己省察の試み」(林初梅ほか編『二つの時代を生きた台湾』三元社、2021年)
- 『「亡国の越境者」の100年ーーネットワークが紡ぐユーラシア近現代史』(共編著、風響社、2020年)
- 「『日台ハーフ』の中華民国国籍」(国籍問題研究会編『二重国籍と日本』ちくま新書、2019年)
- 「去殖民化中在日台灣人身份定位的再建構ーー以日本神戶「台灣省民會」(1945-1946)爲例」(『台灣史學雜誌』、2018年)
- 『交錯する台湾認識』(共編著、勉誠出版、2016年)