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入学から卒業まで

文学部に入学すると、4年の間に、どのような流れに沿って学習・研究し、卒業して行くことになるのか、その特色と重要なポイントを説明します。
入学後に、何を自分の専門として学ぶかを、決めることができるのは、神戸大学文学部の特色のひとつですが、その上で重要なこととして(1)専修の決定があります。また、4年一貫のカリキュラムのもと、少人数での徹底した教育を受けられることももうひとつの特色です。そのための専門科目を中心とした(2)授業科目を学年順に説明します。最後に、文学部の命とも言える(3)卒業論文及び小人数で行われる演習などの授業の特色を述べます。

1. 専修の決定―「よく考えて自分の専門を決めることができる」

専修は、1年の後期に決定し、2年からそれぞれの専修に所属することになります。そのためにまず、1年前期には講座ごとのガイダンスとも言える「入門」と、人文学への導入をはかる「人文学導入演習」が開講されます。「人文学導入演習」は、学生の興味・関心に応じて選択できるよう、いくつかの内容に分かれて複数開講されます。1年の後期になると、今度は各専修のガイダンスとも言える「人文学基礎」をすべての専修が開講します。これらを参考に、1年生は自分が進む専修を決定します。

2. 文学部の授業科目―「四年一貫で学ぶ人文学の多様な広がり」

文学部の学生が4年間に学ぶ授業科目は、全学共通授業科目と文学部の専門科目とに分けることができます。全学共通授業科目は、教養原論、外国語科目、健康・スポーツ科学などからなり、原則として1年から2年までの間に履修します。
文学部の専門科目は、基礎科目、卒業論文関連科目、自由選択科目、卒業論文からなります。下の図に学年ごとの大まかな流れを示します。

1 年 2 年 3 年 4 年
教養原論 教養原論 専門科目 専門科目
外国語科目 外国語科目
健康・スポーツ科学 専門科目
専門科目(基礎科目)

教養原論

教養原論は、人文学のほか社会科学や自然科学の分野も幅広く現代の教養として身につけるための科目です。文学部で人文学の研究を進める上でも、しっかりと学んでおくことが必要です。

外国語

外国語科目は、「外国語I」として英語、「外国語II」として、ドイツ語・フランス語・中国語・ロシア語の中から一つを選び、合わせて2カ国語を学びます。また文学部ではこのほかに、韓国語、イタリア語、西洋古典語(古代ギリシア語とラテン語)の授業も開講されています。人文学を学ぶ者にとって外国語の習得は必要不可欠です。

基礎科目

基礎科目は、人文学の基礎を学び、専門科目へと進むための準備を行うための科目です。専修が決定すると、それぞれの専門科目を深く探究することになりますが、教養原論や基礎科目は、そのために必要な基礎や広がりを与えてくれるものです。基礎科目には、各講座の入門、人文学導入演習、人文学基礎などがあります。

専門科目

専門科目は、専門的な講義、演習、実習などからなります。単位制度に基づく大学の授業は、必修科目と選択科目の単位数がそれぞれ決められています。必修科目は必ず履修しなくてはならず、選択科目は一定の範囲内から自由に選択できますが、それらは講座ごとに細かく指定されているので、注意が必要です。また、ひとつひとつの授業の学習を徹底するために、1年間に履修登録が可能な単位数が54単位に制限されています。したがって、履修登録にあたっては、入学後に配布される学生便覧やガイダンスでの説明にしたがい、各学期の始めに、何を学ばなくてはならないかを十分に考えて登録してください。

3. 文学部の授業の特色―「少人数教育と課題探求能力の開発」

文学部の授業科目で高い割合を占めるのが、特定のテーマを深く探究する「特殊講義」と、数人から十数人の少人数で行う「演習」いわゆるゼミです。実験やフィールドワークを含む「実習」も同じく少人数で行われます。中でも、文献や資料を講読したり、自分で選択したテーマについて研究報告を行い、受講者で議論を戦わせたりする「演習」は、専門分野の研究方法や考え方を習得し、自分で課題を発見し解決する能力を鍛えるうえで大変重要です。

4. 卒業論文

卒業論文は、文学部4年間の学習と研究の結晶です。これまでに挙げた授業科目から必要な単位数を取得した上で、原則として400字詰め原稿用紙で50枚程度の卒業論文を作成し、口述試験(口頭試問)をパスすれば、卒業となります。

5. 文学部で取得できる資格

教員免許状

  • 中学校教諭一種(国語、社会、英語)
  • 高等学校教諭一種(国語、地理歴史、公民、英語)

その他の資格

  • 学芸員の資格
  • 社会調査士の資格

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