LET 〜文学部への好奇心をアップする情報紙(WEB版)〜
LETは1年に1回発行される神戸大学文学部の情報紙です。
受験生をはじめ、多くの人に神戸大学文学部に興味や関心を持ってもらうことを目的に発行しています。
LETのネーミングは、もちろん Faculty of Letters の "Let…" からですが、それとともに単語 "let" が持つ「自由に…してもらう」という意味から、学生のみなさんに自らの未来を自由に開拓してもらいたいという願いも込められています。
学生たちの声
土田 真衣(日本人 KOJSPチューター)
私は一回生の時にオックスフォード夏季プログラムに参加したことがきっかけで、神戸オックスフォード日本学プログラム生のチューターを始めました。チューターの仕事は主に留学生の日本での生活や日本語学習をサポートすることです。サポートと一口に言っても、それは多岐に渡ります。勉強面ではもちろんのこと、慣れない日本での一年という長期滞在で不安を感じている時は相談に乗ります。
彼らと親交を深めていくうちに、日本にいながらイギリスの若者文化を知ることができました。
普段は非常に勉強熱心な彼らですが、週末になると一種のお祭り騒ぎになります。飲み放題過ぎる飲み会、その後もはや何語かわからないカラオケ、ついには朝までクラブで踊り尽くし(日本人はこの時点で退散)、月曜1 限には疲れた顔で出席。個人差はありますが、休日を全力で楽しみ、平日は学習に打ち込む彼らの生活スタイルに圧倒されながらも、私自身の生活を見直す良い機会にもなりました。
同世代で共通点も多いですが、やはり文化差は存在します。特に差別に対する感覚や考え方については日本とイギリスではかなり違うので、私たち日本人が意図せずに彼らを傷つけてしまうこともあります。そういう時は親身になって彼らの話を聞き、相互理解を深めるのがチューターの役目です。チューターをしていると、楽しいことばかりではなく、時にはお互い納得できずに終わってしまうこともあります。文化差はどの国にとっても難しい課題ですが、最後にはそれを乗り越えて個人として相手と向き合えるようになるのがこの仕事の魅力だと思います。
康 原淅(留学生 中国)
国文学専修の康原淅です。中国から来ました交換留学生です。神大文学部に入ってから今月ですでに7ヶ月が経ちました。早かったなと思いますが、振り返ってみると、いい思い出もたくさんたまっています。
勉強の面では、留学生は時間割表を参考にして自分の好きな授業を取ることができます。それに、留学生向けの特別の授業もあります。前学期、日本社会文化論演習という授業を取りました。この授業では、日本文学、日本史学や社会学などを研究されている先生方が一週ずつ授業をしてくださったので、私たちは少しずつ「日本学」における様々な分野の概説の知識を得ることができました。一方、留学生と日本人学生とのコミュニケーションを促すために、「インターナショナルアワー」という催しを定期的に行ってくださっています。私が一番印象深いのは、去年11 月中旬のインターナショナルアワーです。学生たちや先生方と一緒に文学部の中庭で焼き芋をしたり、紅葉を楽しんだりして忘れがたい時間を過ごしました。このような活動がきっかけで、日本人学生と話したりして、友達ができて、日本語も上達してきています。生活の面では、教務学生係の方々やチューターの学生さんがいつもサポートしてくれて、不便なことは全然ありません。食堂の料理も毎日同じものを食べても全然あきることはないほど美味しくて、私にとってこれはとても幸せなことですね。
あっという間に交換留学生活もあと3ヶ月ぐらいになってしまいましたが、これからも大切に日本での暮らしを味わいたいと思います。最後に、一つだけ。
「神大文学部、ありがとう!」。
レオ・コリンズ(留学生 英国)
私が日本に来たのはこれが初めてだったので、留学生活がいったいどんなものになるのか、全くわかりませんでした。初めは緊張していましたが、神戸大学に来てから、いろいろと援助してもらったおかげで、本当に楽しく過ごせています。特にスーパーバイザー(同じ学部の先生)とチューター(同じ学部の方々)にはお世話になりました。来日したての時にはまだ日本語があまり話せなかったから、口座を作ったり、携帯電話の契約をしたりするのは一人ではできないのでチューターに助けてもらいました。それだけではなく、学科の友達を紹介してもらって、神戸大学のオーケストラに入るときに、入団の手続きなども説明してもらいました。今ではすっかり仲がよく、困ったことがあれば助けてもらっています。
私は子どものころからずっとチェロを弾いていますが、楽器を日本に持っていくのは無理だとわかっていたので、留学中にチェロを弾くことはできないと思っていました。しかし、神戸大学のオーケストラに入団し、学校のチェロを借りさせてもらって弾くことができるようになり、本当にありがたいと思っています。こちらは、今までと比べて練習が厳しいけれど、楽しく、みなとても親切です。留学生として面白いと感じることは、イギリスとの文化的な違いです。それは、日本の部活には上下関係があるということです。実際にその関係の中に身を置くことで、特に敬語などのいい勉強になると思います。留学生には、サークルやクラブに入ることを強くお勧めします。たくさんの友達ができるし、日本語や文化を知ることにもつながります。
もうすぐイギリスに帰らなくてはなりませんが、日本での生活は楽しく帰らなくてはならないのを残念に思います。
スルボヴァ・ズザナ(留学生 チェコ)
来日した当初、日本の様子が分からなかった私は、チューターになってくださった学生の方に様々な手続きを助けて頂きました。やはり、日本語がいくら通じても、全く違う文化や制度なので、サポートがあるととても安心です。
最初の週には、大学キャンパスオリエンテーションが行われましたが、そこで早速新しい友達ができました。また、その時には神戸大学と関連する色々な組織を紹介してもらえるので、大学経由で学校以外の活動にも参加することもできます。私の場合は、御影北地域福祉センターで地元の人々にチェコ文化について発表を行うことができました。
また、留学生はそれぞれの学部の研究室に分けられ、そこで日本人の学生さんと一緒に交流しながら勉強することになります。私は言語学研究室の皆さんにいつもお世話になりっぱなしで、いつも一緒に食堂で食事させていただいています。
神戸という町は、昔から外国人が多かったそうで、そのためか現在も神戸の人々が外国人に優しくしてくれると実際に感じられます。例えば、経験も少ないし日本語力に自信もない留学生でも、少し勇気を出して頑張っていけば、その職場の方に応援して頂きながら、良いアルバイトをすることができると思います。自分の経験から言うと、最初にアルバイトなんかできるはずがないと思っていましたが、この7 ヶ月間ずっとパン屋でアルバイトをし続けています。
今回の留学はあと3 ヶ月で終わってしまいますが、私の記憶に強く留まり、忘れられない素晴らしい経験になりました。神戸大学に留学に来る皆さんもぜひ良い経験をして下さい。