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在学生の声

斉賀 万智(国文学) 前期課程

皆さんは“古典”と言われたら、どのような作品を思い浮かべるでしょうか。おそらく高校の教科書などに載っている『源氏物語』や『こころ』などを思い起こす人が多いのではないかと思います。確かにそれらは“古典”だといえるでしょう。それでは、なぜそれらの作品が“古典”だと認識されているのでしょうか。このように、今当たり前に思っていることや疑問に感じたことに対して問いを投げかけ、それに対する自らの答えを様々な文献や史料を用いてより強固にしていくことが国文学研究の基本的な姿勢だと考えています。
私も試行錯誤しながら、そのような研究生活を過ごしています。私は日本の中世、つまり平安時代末期から室町時代にかけて成立した文学作品を中心に研究を進めています。中世の作品は、当時の文化や社会状況が現代と大きく異なっているため、読む度に新しい発見がありますが、それと同時に違和感を覚えることも多くあります。違和感を覚えるということは、疑問を感じているということです。ですから、その疑問を解消するため、先程述べたように問いを立てて、文献や史料を読み解きながら自分の論を形成していくという作業を行っています。この作業は確かに容易なものではありませんが、どんな些細なことでも親身になって下さる先生方や切磋琢磨しあえる仲間の存在に助けられ、楽しく取り組むことができています。
神戸大学は自分の興味に則った研究に没頭できる環境が整っていると実感していますので、充実した研究生活を送ることができると思っています。

田中 瑞季(美術史学) 前期課程

「必ず作品から出発すること」これは先生が繰り返しおっしゃる言葉です。作品から出発するとはどういうことか。私は、「一番大切なのはまず作品そのものと向き合うこと」と解釈しています。美術史の研究対象は言うまでもなく美術作品です。古今東西ありとあらゆる作品が研究の対象となります。それと同時に作品は、何百年何千年と時を経て目の前にある本当のことなのです。この研究対象が同時代に存在するというのは、極端な例えでいえば、藤原道長が自分の栄華の極みを延々と語ってくれているようなものです。それで話を聞かない人はいません。だから私たちは作品が持っている情報を目と頭を使ってきいていかなければなりません。これこそが美術史という学問の最大の特徴です。
私は現在、平安後期に造像されたと考えられる仏像について研究しています。この作品は明治時代以前の伝来もわからず、文字資料は皆無といっていい状態です。しかしそれでも作品からは彫り方、面相、装飾、尊容などといった情報をつかむことができ、それに対する自分の考えを生み出すことができます。はじめはその考えは細い糸のようなものです。そこから先行研究を調べ関連する文献をひき、時には他の作品と比較をします。また、先生方に相談したりゼミなどで研究室の方々に意見をもらったりします。そうすることでどんどん考えたことが深まり、強固になっていきます。そして初めて見たときよりもその作品がもっと魅力的になっていきます。そのことが研究をするうえで一番楽しいです。
正解のないことを考えて言葉にしていくことは容易なことではありませんが、神戸大学はそれを作っていける環境が整っていて充実した研究生活を送ることができるところだと思います。

Bojana Pavlasevicボヤナ・パヴラシェヴィッチ(Sociology社会学) 前期課程

I discovered Kobe University during my undergraduate studies and the time I spent on Rokkodai campus as an undergraduate research student in 2007. From the very first glance, Kobe University appeared to be an ideal place study. In addition to its location on the Rokko Mountain and a breathtaking view over Osaka Bay, the University impressed me with its international and open academic atmosphere. For me, coming back to Kobe University was a matter of time.
I enrolled at Kobe University`s Graduate School of Humanities as a master student in 2013. Presently, I am researching life plans and life stories of young men and women, with a special focus on their family life and childhood experiences. Because my research plan requires much fieldwork among university students, I am fortunate to have met many undergraduates on Rokkodai campus who were willing to participate in my survey and recount their experiences for hours. It is also very important for me to emphasize that, whenever I have doubts and questions regarding the research process, the professors and senior colleagues are there to assist me. Having such a specialist network always at hand, gives me a sense of security and confidence in what I do. Furthermore, almost daily interaction with my professors and fellow students is a ceaseless source of inspiration and therefore indispensable for my research. My impression is that, whatever the result of my current project may be, its best parts will be a product of the teamwork during seminars and discussions at our department of Sociology.

劉 天羽(日本史学) 前期課程

私は、学部学生時代を、中国西安で日本語学を学んで過ごしました。その時、たまたま神戸大学大学院人文学研究科に進学していた先輩が、学会と調査のため同じゼミの日本人学生の方と一緒に大学に戻って来られたことがあり、私も彼らに同行しました。それがきっかけとなって、私は神戸大学に憧れ、大学卒業の半年後に研究生となり、さらに1年後に大学院博士課程前期課程に入学することができました。
私の専門は、昔から好きだった日本史です。現在は日本の大正時代の政治と軍事の関係をめぐって研究を進めています。日本の史学研究はたいへん実証的で、史料を読みこなす力が求められます。また、歴史研究者のあり方についての議論もさかんで、自分も日本の史学史、戦後歴史学の諸課題について積極的に勉強する一方で、ヘーゲル、ランケ、マルクスなどの先哲についても勉強したいと思っています。非史学系出身のため、学力不足を感じることもありますが、「自分のテーマ、自分の専門以外何も分からない者にならないように」という先生の教育方針の下で、毎日楽しく勉強できています。
人文学研究科の先生方は、学生たちとの距離がとても近く、厳格ながらも学生のことを第一に考えて接してくれます。また、先輩も私のために勉強会を開催してくれたり、悩みを聞いてくれたり、公私にわたって支援してくれます。そんな環境の中で、充実した留学生活が送れることは、たいへん幸せなことだと思っています。
なお、神戸大学附属図書館の蔵書量は厖大で、研究に必要な資料がとても簡単に入手できます。これは、資料不足にずっと悩んで学部生時代を過ごした私にとって、たいへん貴重な宝物です。

安原 秀和(心理学) 後期課程

視覚と聴覚の関係性を明らかにするため、「突然の出来事によって知覚された情報のまとめ方が変化する」ことが視覚と聴覚との間で共通した規則であるか否かを調べています。本研究は、心理学分野、研究科の垣根さえも越えて、本学の認知神経科学や哲学、史学の先生方に発表を聞いていただき、様々なご指摘やコメントを頂くことによって、大きく発展しました。そして、本研究の成果は本研究科の「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」の支援を受け国際学会で発表を行い、好評を得ました。このように、自分の専攻とは異なる分野の研究者の方々に有益なコメントを頂くチャンスが得られる点は本研究科の特色です。我が国の将来を担う国際的視野に富む人間へと成長するために、国際交流の盛んな神戸というまちで研究活動を行うことは最良の選択の一つであるといえるでしょう。大学院での生活が実りあるものになるか否かは私たち次第です。しかし、本研究科は私たちの大学院生活が実りあるものになるように精一杯バックアップしてくださります。チャンスも沢山あります。余談ではありますが、わたしたち知覚・認知系の院生は「チャラい」と言われることがあります。関西ならではのアップテンポなノリと、神戸という土地から漂う品の良さからなる組み合わせの妙は、わたしたちのこころを様々な点で豊かにしたのでしょう。こころ豊かな院生になることを希望する方がいらっしゃれば、是非一度わたしたちの研究室をお訪ねしていただきたいとおもいます。

丸山 栄治(哲学) 後期課程

私は修士課程から神戸大学人文学研究科に在籍し哲学を専攻しています。現在、主な研究テーマとして現代形而上学という分野を背景に「無の可能性」に関する議論に取り組んでいます。「無」は明らかに現実と相反する概念ですが、それにもかかわらず現実を把握する際のひとつの視点となるのではないかと考えこの研究を始めました。研究を進めるにあたって神戸大学の哲学教室の魅力のひとつはまず少人数で授業が行われることです。授業で扱うテキストも学生の専門に応じたものが選ばれ、また、それぞれの専門からのコメントも求められるので、論文作成に向けての基礎をつくる場になっています。さらに、神戸大学では様々な領域を専門とする先生や学生同士の交流もあり、私が主題としている「無」という概念の哲学史的背景に関する指摘や、現代形而上学特有の手法についての批判を受けることで自分自身ではみえてこなかった側面についての様々な手がかりを得ることができますまた、具体的問題についての実践的な研究もさかんで、例えば、アスベスト被害に関する取り組みなどが行われています。このような取り組みの中で、人文学が果たすべき役割を再認識することができ、貴重な経験を得ることができます。

劉 靈均(中国・韓国文学) 後期課程

私は台湾で修士号をとった後、2013年に神戸大学に参りました。外国で留学するのは初めてなので、最初は不安ばかりでした。幸いに神戸は元々外国人が多い町で、外国人に対する偏見も少ないので、生活には不便な所がありません。
台湾では日本近代文学の専攻だったのですが、こちらに来てからは中国・韓国文学研究室所属で、自分の故郷・台湾におけるセクシュアル・マイノリティの文学を研究することになりました。人文学研究科では人文学に関わる様々な分野で活躍している先生方と大学院生の皆さんがいらっしゃるので、授業や討論のときに狭い視野に縛られず、自分の国のこと、そして「人」としての自分のことをもう一度考え直すことができるようになりました。
大学院は、人数は多くなく、授業や研究の各方面では個人のニーズや能力が考慮されています。神戸大学特有の開放的な、リベラルな雰囲気の中で、自分の領域だけではなく全方位で人文学の知識や方法論を身につけるのです。海外から交流に来た外国の方も多く、また海外への長期や短期の交流を行う機会も沢山ありますので、グローバル化が進んでいる世界を交流によって知ることができるようになりました。キャンパス生活もとても便利で、先生も事務の方も親切で、留学生としてはさらに丁寧に気を遣われていると感じています。神戸大学の蔵書や資料、利用できるデータベースも数多く、人文科学の研究には不可欠なものです。
ちょっと疲れたら、山の上からいつでも神戸市の美景を一覧でき、空気もきれいで、ストレスの解消に大いに役に立ちます。こここそ、心地よく自分の研究を磨くことができると思います。

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