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授業ダイジェスト

学生からの授業紹介
教師自身による授業紹介
カリキュラム&シラバス

学生からの授業紹介

哲学関係

哲学専修は、自分のやりたいことが何でもできる専修です。考えれば何でも哲学の対象になると先生もおっしゃっていました。哲学というと難しいものだという印象があるかと思いますが、自分の人間関係や自己分析など、具体的な例に当てはめてみるとわかりやすく、そして少しでも理解できると、当然ですが授業が楽しくなってきます。わたしはこれまで一年間、中先生の倫理学演習を受講してきました。この授業では、ジュディス・バトラー『自分自身を説明すること』というテキストを使っています。英語の原書を日本語に訳しながら授業が進むので英語の勉強になりますし、一人で読んでいては読み飛ばしてしまうような箇所も、先生や先輩の解釈を聞くことで新しい発見があります。また、少人数の演習形式なので自分の意見を求められることが多く、具体的な例を出し合う中で理解が深まりました。

(哲学専修3回生 奥村遥さん)

日本史関係

日本史学専修のカリキュラムは、充実した卒業論文を書くことをゴールに組み立てられています。2年生になり専修が決まるとすぐに2・3年生合同ゼミが始まります。2年生は先輩の姿を見ながら論文や史料の扱いについて学び、3年生はゼミの最後に課される8000字レポートを2年生と協力しながら書き上げます。さらに3年生後期になると4年生に交じって卒論ゼミに参加することになります。この時から本格的に卒論に向けての準備が始まり、4年生に上がる時には、12000字レポートを作成します。こうして徐々に、自分の考えを論文として書き上げていくことに慣れていきます。卒論ゼミでは専門の時代に関係なく先生全員からコメントをいただけるので、自分の研究テーマについてより広く、より深く考えることができます。

さらに日本史学専修では、学外での活動も活発で、3年生が中心になって企画する教室旅行や、地域の文化財の保存と活用を実践的に体験する古文書合宿などが毎年行われます。少人数を活かした授業や行事を通じて、大学院生から2年生までが仲良く学生生活を送っています。

(日本史専修 修士1年生 都倉和也くん)

美術史関係

「絵画や彫刻が好き」「現代アートってなんだろう」「世界史や日本史の資料集を眺めるのが好き」このような興味を持っている方にすすめたいのが、美術史の授業です。美術史とは、古代から今日まで創造され続けている美術作品に対して、様式分析や図像解釈などを通して、それに関わる人間の営みを明らかにしようとする学問です。

神戸大学では1年生向けの授業として、西洋美術史、東洋美術史についての講義と、近隣の美術館博物館で催されいる展覧会見学が行われています。作品を実際にみることが大切、という考えに基づき見学会ではもちろん、講義でも作品を大きなスクリーンに写し出しながら授業を行います。高校までの勉強では触れたことのない分野の学問なので、授業ではまず、美術に親しめるよう入門的な内容を主に取り扱っています。2年生からは上記の授業に加えて演習が始まり、より専門的な内容を学びます。

(美術史専修3回生 大塚優美さん)

教師自身による授業紹介

久山 雄甫(ドイツ文学特殊講義)


写真:様々な『ファウスト』の表紙

ゲーテ畢生の大作『ファウスト』を一学期かけて通読しました。この世界文学のマスターピースは二部に分かれています。第一部はグレートヒェン悲劇と学者悲劇を軸とするもので、舞台や映画などにもなって人口に膾炙していますので、もしかすると、ゲーテの『ファウスト』と聞けば、こちらだけを思い浮かべる人も多いかもしれません。しかしゲーテ死後に発表された第二部を合わせてこそ、この作品全体の枠組みは完成します。この第二部は、時系列をわざと無視した複雑な構成を持ち、なかなか容易には読み通せません。中世ドイツから古代ギリシアまで舞台をめまぐるしく変えながら、近代批判を幾重にも織り込み、最後にファウストの救済の是非という難問を読者に突きつけてきます。

文学や思想の研究には「問い」はあっても唯一絶対の「答え」はありません。授業でも、受講生のみなさんに自分で作品を読み、感じ、味わい、そして思いを馳せ、じっくり考えてもらうために、ドイツを中心とするゲーテ研究が積み重ねてきた様々な解釈の可能性を、できるだけバランスをとりながら色々と紹介しました。また、ドイツ語の押韻や言葉遊び、あるいは劇中歌の背景などを取り上げ、日本語訳を読んだだけでは分かりにくい作品の多彩な相貌を解説しました。授業後には「以前に一人で読んだときには途中で挫折してしまったのですが、授業のおかげで第二部の最後まで読むことができ嬉しいです。」「すべての言葉に深い意味がこめられていることを知り、さすが名作だと呼ばれるだけのことはあると思いました。ただそれが深すぎて噛み続けなければ真の良さが分からない、まるでスルメです。あごを鍛えようと思います。」といった感想が寄せられました。

カリキュラム シラバスはこちらから >>

1年 2年 3年 4年
教養原論 教養原論 専門科目 専門科目
外国語科目 外国語科目
健康・スポーツ科学 専門科目
専門科目(基礎科目)

1.専修の決定 ―「よく考えて自分の専門を決めることができる」

専修は、1年の後期に決定し、2年からそれぞれの専修に所属することになります。そのためにまず、1年の前期には講座ごとのガイダンスとも言える「入門」と、人文学への導入をはかる「人文学導入演習」が開講されます。「人文学導入演習は、学生の興味・関心に応じて選択できるよう、いくつかの内容に分かれて複数開講されます。1年の後期になると、今度は各専修のガイダンスとも言える「人文学基礎」をすべての専修が開講します。これらを参考に、1年生は自分が進む専修を決定します。

2.文学部の授業科目 ―「四年一貫で学ぶ人文学の多様な拡がり」

文学部の学生が4年間に学ぶ授業科目は、全学共通授業科目と文学部の専門科目とに分けることができます。全学共通授業科目は、教養原論、外国語科目(「外国語 I 」として英語を、「外国語 II 」として、ドイツ語・フランス語・中国語・ロシア語のなかからひとつを選び、併せて二カ国語を学びます)、健康・スポーツ科学などからなり、原則として1年から2年までの間に履修します。

全学共通授業科目の外国語科目のほかに、文学部では韓国語、イタリア語、西洋古典語(古代ギリシア語とラテン語)の授業も開講されています。人文学を学ぶ者にとって外国語の習得は必要不可欠です。

文学部の専門科目は、基礎科目、卒業論文関連科目、自由選択科目、卒業論文からなります。

基礎科目は、人文学の基礎を学び、専門科目へと進むための準備を行なうための科目です。専修が決定すると、それぞれの専門科目を深く探究することになりますが、教養原論や基礎科目は、そのために必要な基礎や広がりを与えてくれるものです。基礎科目には、各講座の入門、人文学導入演習、人文学基礎などがあります。

専門科目は、専門的な講義、演習、実習などからなります。単位制度に基づく大学の授業は、必修科目と選択科目の単位数がそれぞれ決められています。必修科目は必ず履修しなくてはならず、選択科目は一定の範囲内から自由に選択できますが、それらは講座ごとに細かく指定されていますので、注意が必要です。また、ひとつひとつの授業の学習を徹底するために、1年間の履修登録が可能な単位数が54単位に制限されています。したがって、履修登録にあたっては、入学後に配布される学生便覧やガイダンスでの説明にしたがい、各学期の始めに、何を学ばなくてはならないかを十分に考えて登録してください。

3.講義と演習 ―「少人数教育と課題探究能力の開発」

文学部の授業科目で高い割合を占めるのが、特定のテーマを深く探究する「特殊講義」と、数人から十数人の少人数で行う「演習」、いわゆるゼミです。実験やフィールドワークを含む「実習」も同じく少人数で行われます。中でも、文献や資料を講読したり、自分で選択したテーマについて研究報告を行い、受講者で議論を戦わせたりする「演習」は、専門分野の研究方法や考え方を習得し、自分で課題を発見し解決する能力を鍛えるうえで大変重要です。

4.卒業論文

卒業論文は、文学部4年間の学習と研究の結晶です。これまでに挙げた授業科目から必要な単位数を取得した上で、原則として400字詰め原稿用紙で50枚程度の卒業論文を作成し、口述試験(口頭試問)をパスすれば、卒業となります。

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