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社会文化 社会学専修

社会学とは

社会学 sociology とは、社会 society の、学 -logy です、ということになりますが、それではピンと来ないかもしれません。家族社会学、都市社会学、犯罪社会学、文化社会学、遊びの社会学、スポーツの社会学、性の社会学などと並べてみるとかえってイメージが湧いてきます。社会にあるさまざまな集団(家族、村落、企業、都市、クラブ)、社会のなかで行われるいろいろな行為(犯罪、遊び、スポーツ、演技)、現代社会に形作られる特色ある関係(性、エスニシティ、流行、マスメディア)について研究する学問なのです。それはまた、そこから表現された文化(マンガ、音楽、文学、言語、価値意識)について独特の角度からアプローチします。
それを通して見えてくるのは、人間がいかに他者との関係のなかで自己を表現しようとしているか、いかに他者の存在を理解しようとしているか、という像であり、また、強固にそびえ立っているように見える社会がいかに人間のこのような心の多様な相互作用から成り立っているかということです。

授業では

1年生の10月、社会学の教員による人文学基礎が始まります。それぞれが関心をもつテーマを持ち寄り、文献調査、統計データの収集、インタビュー調査などを行い、テーマを掘り下げ、自分たちの見解をまじえながら発表し、討論します。専修が決定した2年生、社会学の本格的な知識を身につけるため、「現代社会の変動に対応する新たな社会理論」「村落社会の日本タイ比較」「家族と人口の比較・歴史社会学」など、多種の講義が開講されます。2年生の10月、社会調査を本格的に行う実習にも取り組みます。3年生の10月、卒業論文のためのゼミが始まります。各人のテーマに合わせて5人の教員に3〜4人ずつ分属し、発表と討論が行われます。あとは自力で40,000字の卒業論文に邁進します。なお、2005年より社会調査士資格のプログラムが本格的に始まっています。

教員の紹介

教員名 専門分野
教 授 白鳥 義彦 社会変動論。特にフランス社会学の理論・学説史。国家と教育の近代化の日仏比較、高等教育と研究体制に関する研究、移民や教育をめぐる観点からの現代社会の研究にも取り組んでいます。
教 授 平井 晶子 家族変動論。歴史社会学・歴史人口学的観点から日本家族の変動プロセスおよび現代的特性を研究。より広い視野から近代化と家族の関連を解明するため欧米との比較研究にも取り組んでいます。
准教授 佐々木 祐 共同体論・エスニシティ論。ラテンアメリカの先住民社会を対象として、民族意識の形成と変容を研究しています。また日本に生きるラティーノたちの実践についても調査しています。
講師 梅村 麦生 理論社会学、社会学説史。研究対象はドイツ語圏の社会システム理論、現象学的社会学など。現在の主な研究関心は、時間の社会学、社会学的帰属概念の歴史、地域の外国人労働者です。
講師 山下 泰幸 質的調査研究、ポストコロニアル研究、地域研究(フランス)。フランスで暮らすイスラーム教徒たちの日常を知るためのインタビュー調査を行っています。マイノリティを取り巻く社会状況について関心があります。

最近の卒業論文から

  • 「共働き夫婦における家事分担の意味」
  • 「『団地型』ニュータウンという生活領域」
  • 「モノに着目した『聖地巡礼』と文化振興」
  • 「阪神淡路大震災後のジェントリフィケーションに抗する地域社会」
  • 「現代社会におけるスポーツ観戦の変容̶「内外のゲーム論」とカイヨワの遊び論を通じて̶」
  • 「脱物質的消費観としてのミニマリズム」

卒業後は

希望職種の花形はマスコミ・出版関係です。テレビ、新聞、出版社、広告会社への就職者は毎年います。また、仕事の実感が欲しいと食品、電機など製造業関係に行く人もいます。そのほか情報、金融、教育、流通などのサービス産業分野も多くなっています。根強い職種は公務員、教員です。大学院の博士課程前期課程を経てそれらに就職する人も増えています。博士課程後期課程に進学し研究職、専門職を目指す人も毎年います。

教員からのメッセージ

あなたはこれまで、いろいろなことを決断してきたでしょう。しかし実はそうした「決断」も「社会」によって枠づけられたものかもしれません。「社会」という、目に見えないけれど確かに存在するものによって私たちの毎日は動いています。同時にその「社会」は、私たち一人一人の個人によって作られたものであり、決して固定的なものではありません。見方を変えるだけで、思いもしないものが見えてくる。こうした体験が社会学の醍醐味です。

(白鳥義彦)

卒業生からのメッセージ

社会学を一言で言うと、何でも研究できる学問です。ふとした時に「これを調べたら面白いことがわかるかも?」と感じたことがそのまま自分の研究になるくらい自由な学問だと思います。社会学を通じて私はアプローチ方法の多さを知りました。ものの捉え方、近づき方は決して一つではないという認識は、社会学以外のところでもきっと役立つと思います。皆さんが悔いのない大学生活を送り、さらには私が学んだような考え方を身につけることを、心から願っています。

(山口ありさ 2018年3月卒業 ラディックス株式会社勤務)

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