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知識システム 心理学専修

人間の知覚・意識・行動のメカニズムを実験により科学的に解明します。

心理学とは

人間の“心”と“行動”について科学的な理解をめざす研究領域です。ものを見たり聞いたり触ったときに生まれる「感覚」や「知覚」はどのように成立するのか? そして、そのことを覚えておいたり、それについて考えたりする「記憶」や「思考」という情報処理過程はどのようになっているのか? 好きな人や嫌いな人に会うとなぜ特定の感情を経験するのか? ある友人は信頼できるのに、別の知り合いのことは信頼できないのはなぜなのか? 等々、心理学専修で実証的に扱う問いはもっとたくさんあります。このような問題に対して、実験という手法で挑むのですが、一口に実験といっても、実は多様な“答え”を出すことができます。たとえば、ある心理現象に脳がどのように関わっているのかを調べることもできるでしょう。どのような場合に特定の感覚や行動が生じやすいのかを調べることで、そのような感覚・行動を引き出す要因を明らかにすることもできるでしょう。また、そもそもそのような行動がなぜ人間に備わっているのかを考えることもできるでしょう。私たち心理学専修の教員と学生は、人間の“心”と“行動”を深く理解することを目指して実証的な研究を行っています。

授業では

実証的な研究スキルを養うため、実習に力を入れています。「心理学初級実験実習Ⅰ」では、1単元につき1〜2週間のペースで心理学の幅広い分野における基本的な実験を行ないます。そして、各単元について、実験の目的・方法・結果・考察という構成のレポートを提出します。このレポートは、心理学専修の卒業論文作成への練習にもなります。さらに「心理学初級実験実習 Ⅱ 」では学生本人がテーマを選び、1学期につき2つ程度の実証的研究を行います。 また、データ分析に欠かせない心理統計と分析ソフトウェアの使い方を学習します。これら実習科目の基盤となる知識を得るため、各教員の専門領域を中心とした講義や演習を毎学期開講しています。

教員の紹介

教員名 専門分野
教 授 喜多 伸一 知覚心理学。身体と感覚に関する実験とモデル構成により、科学を進展させ社会に貢献することを目指しています。
准教授 野口 泰基 認知神経科学。知覚や記憶などの心理学的な現象がどのように発生するのか、人間の脳の神経活動を実際に観察することによって調べています。
講 師 柳澤 邦昭 社会心理学・社会神経科学。社会は人のこころや行動にどのような影響を与えているのか、心理実験や脳機能計測など多角的な手法によって検討しています。

最近の卒業論文から

  • 「骨導音を用いた聴覚実験」
  • 「歩きスマホ時の間隙通過」
  • 「視覚刺激に対する審美・情動評定に関わる認知メカニズム」
  • 「脳刺激による嘘つき能力の影響」
  • 「友人同士・恋人同士の絆の確認と嫌悪感の関係」

卒業後は

就職先の職種としては情報関連、流通、出版、および公務員等が一般的です。大学院に進学する人も少なくありません。心理学専修の内部で進学する人たちは、修士課程2年間で自分の研究をさらに深めて一般企業や公務員として社会へ出る人と、博士課程に進み研究者への道を歩む人がいます。文学部心理学専修では公認心理師の資格取得はサポートしていないのでご注意ください。

教員からのメッセージ

心理学というとどのようなイメージを持ちますか?テレビや雑誌で目にする性格検査のようなものでしょうか?ところが、それは実際の心理学とは全く違います。心理学では実証的・科学的研究手法により人間の心の働きを調べています。脳波や眼球の動きを測ることもありますし、実際に特定の状況で人々の行動がどのような変化するのかを調べることもあります。皆さんも、私たちと一緒に人間の心の働きを科学的に研究してみませんか?

(喜多伸一)

卒業生からのメッセージ

心理学を勉強していました」と言うと「人の心が読めるの?」と言われます。実際の心理学では、残念ながら心を読むことも操ることもできませんが、人の脳やそこに宿る心の根源的な部分を学ぶことができます。私たちはどうやって五感を使って外の世界を知覚しているのか。また社会の中で、他者の存在や行動が自分にどのように影響しているのか。論文を読み解いたり実験を行ったりしながら、それらを幅広く学べる専修です。実験や調査といった研究手法は文学部の中では少し特殊かもしれませんが、その分魅力的で達成感があります。

( 山内一輝 2020年3月卒業(株)山崎製パン勤務)

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